リファラル紹介したクリニックスタッフに人材紹介料を払う事は違法か?
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こんにちは。株式会社メディカルリンクのクリニック採用コラム編集部です。
先生達のクリニックではスタッフ紹介によるリファラル採用を導入していますでしょうか?
労働人口の減少が進む中、優秀な人材の採用に加えて、労働生産性やエンゲージメントの向上が大きな課題となっています。そのような背景のもと、従業員の信頼する人脈から優秀な人材に出会い、ミスマッチ少なく採用のできる「リファラル採用」に注目が高まっています。
クリニック業界で人手不足が叫ばれる中、新しい採用施策の検討を進めている先生やもう既に導入している先生のためにも、今回は効果的なリファラル採用の活用ポイントをまとめました。
- リファラル採用が注目されている理由を知りたい
- リファラル採用のメリットについて知りたい
- リファラル採用を導入しているが、さらに推進したい
人材紹介、求人媒体でも思う様に募集が来ない場合、有効な採用ファネルとなる可能性がありますね。
クリニックにおけるリファラル採用まとめ
- リファラル採用はマッチング率、定着率、費用対効果の高い採用施策
- リファラル採用をさらに推進したいのであれば、インセンティブの導入を
- 紹介したいと思える職場環境や福利厚生、評価制度を整える
リファラル採用で紹介費用をスタッフに払う事は違法か?
結論:リファラル採用でスタッフに紹介料を払う事は違法ではありません。
リファラル採用の適法性について
賃金、給料、その他これらに準ずるものとして支払う場合、合法です。
適法性を検討するために、職業安定法の第30条と第40条が重要になります。
職業安定法第30条には、「有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。」と規定されています。
この許可がないのにもかかわらず、有料の職業紹介事業を行うことは基本的に違法であり、対価を支払った場合、違法性を問われる可能性があります。すなわち、リファラル採用に関するインセンティブを従業員に支払うことは違法と受け取れます。
しかし、例外規定として第40条で、賃金や給料の形で支払うことで認められています。
「労働者の募集を行うものは、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料、その他これらに準ずるものを支払う場合、又は第36条第2項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。」
ちなみに第36条は、被用者以外の者(いわゆる人材紹介会社)の条件になります。
そのため上記から、業務として行ってもらい、賃金、給料その他これらに準ずるもので支払うことが必要になります。実務としては手当や賞与などで支給する形にしてなどに就業規則や賃金規程にその内容を明記する必要があります。
インセンティブを支払う形式が一般的
採用が決まった場合は、紹介してくれたスタッフに報酬(インセンティブ)を出すのが一般的です。
- なし :21社(14.3%)
- 1~9万円のインセンティブ :69社(46.9%)
- 10~29万円のインセンティブ :46社(31.3%)
- 30万円以上のインセンティブ :10社(6.8%)
参照:リファラル採用の実施状況に関する統計レポート | TalentX Lab. (mytalent.jp)
そのため自社でリファラル採用の制度を作りたいなら、どのような対価がスタッフにあるのかを明確にする必要があります。
リファラル採用の認知促進や紹介のハードルを下げるために、インセンティブ(報酬制度)や会食費支給などの制度設計を行う必要があります。それらを踏まえてもリファラル採用のトータルの採用コストは、他の採用手法に比べ非常に低くなる可能性が高いと考えられます。
リファラル採用の注意点
就業規則や賃金規程に明記する
リファラル採用に関する規定を就業規則や賃金規程に記載しておくことが必要です。
繰り返しになりますが、人材紹介はもともと、厚生労働省の需給調整課管轄の国許認可事業です。免許を取得しなければ、有料職業紹介を行うことはできません。リファラル採用において報酬制度をつくりたいのであれば、人材紹介を社員の業務の一部として位置づけます。
インセンティブにより社会保険料が変わることもある
社会保険料の算定時期であれば、社会保険料が増加する場合があります。
リファラル採用の紹介手数料については「賃金や給料」などとして支払いますので、社会保険料の算定に大きな影響を及ぼす可能性があります。
社会保険料には、7月1日現在で使用している被保険者の3カ月間(4月、5月、6月)の報酬月額を算定基礎届により届出し、9月から社会保険料を改定する手続きがあります。
この支給時期を避けるようにリファラル採用の運用ルールを策定する場合、社会保険料の負担増が回避できます。また「随時改定」という固定昇給が行われる際の手続きタイミングでも同様のケースがあります。
これらの事務手続きが面倒な場合、賞与に加算するような形で支給することも合理的です。(結局賞与での社会保険料は増加しますが、社会保険料の月額が増加することはありません)
クリニックにおけるリファラル採用とは
リファラル採用とは
リファラル採用は、クリニックとのマッチング率・定着率が高く、自院による直接採用であるためエージェントや求人広告対比で採用コストも抑えることができ、費用対効果の高い今注目の採用手法です。
リファラル(referral)は、「紹介」「推薦」という意味を持っており、リファラル採用は、クリニックをよく理解した従業員から紹介された応募者を採用することを指します。また、転職メディアや人材会社を仲介しない採用手法であるため、自社の信頼できるスタッフのつながりを通して、転職潜在層にアプローチできるという特徴があります。
リファラル採用はなぜ注目されているか?
自社採用力を強化したい
少子高齢化などの理由を背景に日本の労働人口は減少の一途をたどっており、2025年以降はこの傾向が加速し、2030年の労働人口は減少し、総数が6,362万人、15-64歳が5,528万人と予測されています。
労働市場の未来推計 2030 – パーソル総合研究所 (persol-group.co.jp)
そういった需要過多な日本の市場において、クリニックの求人倍率も年々上昇傾向にあり、人材獲得競争を勝ち抜くためには既存の採用手法のみでは難しくなってきており、採用の考え方の見直しや新たな採用チャネルの開拓が必要になってきているのです。
スタッフの離職を減らしたい
リファラル採用は実際にクリニックで働いている友人・知人から現場の生の声を聞くことができるので、情報の信頼性が高く、クリニックの理念や文化などのフィット感を事前にすり合わせることが可能です。
そのため入社後のミスマッチが少なく、離職率が低い採用手法として注目されてきました。「スタッフとスタッフ」や「クリニックとスタッフ」の関係性が変化し、場合によっては希薄化している場合があります。こういった状況からエンゲージメントの低下や帰属意識の低下が考えられます。
リファラル採用のメリット
リファラル採用の主なメリットは下記の4つになります。
メリット1:人材のマッチング精度が高い
リファラル採用の第一のメリットは、クリニックに適した人材を集められることです。
リファラル採用では、人柄をよく知るスタッフからの紹介・推薦によって選考の対象を決めるため、適性やスキルを把握しやすいという特徴があります。履歴書や職務経歴書だけでは見えてこない人柄も紹介者から伝えられるため、ミスマッチを防ぎ、即戦力を採用できる可能性が高くなります。
メリット2:既存スタッフのロイヤリティも向上する
既存スタッフにとっても身内が同職場に入ることで、クリニックでの業務意欲の向上やスタッフ自身の主体性や帰属意識にもつながる効果が期待できます。
メリット3:採用コストの削減
有料サービスである求人誌や求人サイトといった求人メディアや、転職エージェントを介さずに人材を募集できるため、採用コストを大幅に抑えることができます。
メリット4:転職潜在層(転職市場に出てこない人材)を採用できる
リファラル採用は転職エージェントやスカウトサイトといった転職サービスに登録していない層にもアプローチができるため、大学、専門学校の同窓生など、スタッフと同じ専門的な知識や関心を持った人材を集めやすいというメリットもあります。
<ここまで読んで下さっている先生方へお伝えしたい事>
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リファラル採用を制度化する
採用の仕組みづくりが重要
スタッフが採用条件や応募方法などの情報を簡単に確認できるようにしたり、紹介活動や採用状況を明確に確認できるようする事が重要です。
スタッフが負担に感じずに紹介できるようにすることが重要で、紹介方法や採用までの過程が複雑なものだと、紹介が億劫になります。そのため、スタッフに対して経営ビジョンや求める人材像を明確に伝え、紹介する側・される側の双方に分かりやすいリファラル採用制度を整えることが必要です。
インセンティブ制度、金額について
1人当たり5万円~20万円の報酬を支給しているクリニックが最も多いですが、職種や採用難易度、クリニックの採用ひっ迫度などに応じて設定金額には幅があります。
また採用決定時ではなく応募獲得時に何かしらのインセンティブを設定する場合や、報酬を金銭以外の「従業員体験」や「ソーシャルギフト」、「サービスの割引券」等に設定している場合も有り、各社の風土、文化、スタイルに合わせてリファラル採用の制度設計をしています。
よくある質問
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