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こんにちは。株式会社メディカルリンクのクリニック採用コラム編集部です。

医師不足という状況に加え、近年では医師の働き方に対する意識も変化しています。単に高給与なだけでは人材を確保できない時代となっています。

さらに、医師紹介会社への手数料も高騰しており、以前のように多額の費用をかけても思うような成果を得られないケースも多くなっています。

当記事では主に医療機関経営者向けに、医師採用の方法とポイントについてまとめました。医師採用にお悩みの方はもちろん、現状の採用方法を見直したい方にも、ぜひ参考にしてください。

この記事はこんな先生にオススメ!
  • 医師の採用方法について知りたい
  • 医師の採用状況について知りたい
  • 医師をどう採用すればいいか知りたい
ラリホ

事業拡大や分院展開など、医師が必要な場面は沢山出てきます。この記事でまずは概要を把握しましょう!

目次

医師の採用市況

福祉医療機構が公表した調査によると、人材紹介会社が病院に医師を紹介する場合の平均手数料は352万円と、高額な手数料が病院経営を圧迫していることが示されています。

エムスリーキャリアの調査によると、医師採用をしたいと考えている医療機関は回答者全体の83%し、54%の医療機関が「1年以内に必ず医師採用したい診療科目がある」と回答しています。

医師の働き方改革による医療機関への影響を鑑みると、医師採用の需要増加は当然の流れといえるでしょう。しかし、一般的に求人倍率7〜8倍とも言われている圧倒的売り手市場であるのが医師の転職市場です。転職を考えている求職医師が、転職によりどんなものを求めているのか、市場の動向をキャッチすることが重要です。

参考:福祉医療機構「病院の人材紹介手数料」に関するアンケート結果
参考:エムスリーキャリア「今後の医師の採用予定/採用理由」

求職医師が新しい職場に求めているもの

エムスリーキャリアの同調査によると、転職で求めるものとして最も多く挙げられたのが「拘束時間の減少」「定時に帰宅しやすい配慮が欲しい」といったワークライフバランスにまつわるものでした。


次に多かったのが給与面で、給与に関するコメントの中でも「残業手当を出してくれる。労働基準法の遵守」「業務に見合った給与の確保」「残業代はきちんと算定してほしい」など、医師の働き方改革の対応にまつわるものも多くみられました。

そのほかにも、「業務範囲が明確に自分の能力の範囲内であること」「働いた時間を正当に評価していただくこと」などのコメントが寄せられており、医師からも医師の働き方改革への対応に注目が集まっていることがうかがえます。

参考:エムスリーキャリア「今後の医師の採用予定/採用理由」

人材紹介会社の相場

有料人材紹介の手数料は一般企業の場合「年収の30〜35%」と言われています。

「医師の人材紹介」においては、一般企業と比較して、求職者に支払われる報酬が高い為、料率としては「年収の20〜25%」が一般的と言われています。一般企業への人材紹介の場合、年収400〜700万円の人材が最も多く、手数料金額としては、1件の紹介の成功報酬が150〜180万円前後となります。一方、常勤医師の人材紹介では、30〜40代勤務医の年収が1400〜1600万円だとすると、常勤の医師紹介1件当たりの成功報酬としては300万円前後となります。

一般企業医療業界
年収400〜700万1400〜1600万
人材紹介手数料割合30〜35%20〜25%
手数料平均150〜180万円300万円前後

医局一強から多様化へ:医師の仕事選び

かつて、医師の仕事選びは大学医局の影響力が非常に強く、32万人の医師のうち、半数以上が医局に所属し、医局長の推薦に基づいて就職先が決まるケースが一般的でした。これは、一般のサラリーマンの転職市場とは大きく異なる状況と言えます。

しかし、近年では医師向け人材サービスの登場により、状況は大きく変化していて、特に若手医師を中心に、インターネットや人材サービスを活用した仕事探し(転職・アルバイト)が当たり前となっています。

医師採用手法の多様化:クリニック分院長採用への活かし方

医師不足が深刻化する中、クリニックにとっても優秀な医師を採用することは喫緊の課題です。近年、医師採用手法は多様化しており、クリニック分院長採用においても、これらの新しい動きを積極的に取り入れることが重要です。

医師採用手法の全体像

現在、医療機関やクリニックが主に利用している医師採用の手法は以下の6つです。

  • 自院サイト:SEO対策、SNS、Indeedを活用した募集ができる
  • 求人媒体(広告):多くの求職者にアプローチできるが、費用がかかる。
  • 人材紹介・ヘッドハンティング:成功報酬型で人材を確保できるが、紹介手数料が高額になる。
  • リファラルリクルーティング:職員の紹介や縁故を活用することで、自院に合った人材を見つけられる。
  • ダイレクトリクルーティング:医師求人サイトを通じて、希望に合致する医師に直接アプローチ

クリニック分院長採用への活かし方

クリニック分院長採用においては、上記の6つの手法を組み合わせて、自院に最適な方法を選択することが重要です。

1. 自院サイト・採用サイト

  • 分院長募集専用のページを設け、詳細な職務内容やキャリアプランなどを明記する。
  • Indeedのような求人情報集積サイトにも掲載し、幅広い求職者にアプローチする。
  • SNSを活用し、自院の魅力を積極的に発信する。

メディカルリンクではダイレクトリクルーティングが可能な、医師採用ランディングページの制作を行なっています。詳しく知りたい方は以下の制作実績をご覧ください。

2. 求人媒体(広告)

  • 求人媒体に掲載する際は、分院長の求める人物像やキャリアプランを明確に伝える。
  • 広告文やバナー画像を工夫し、医師の興味を引くようにする。
  • 費用対効果を意識し、掲載期間や掲載媒体を検討する。

3. 人材紹介・ヘッドハンティング

  • 複数の業者を比較検討し、自院のニーズに合った業者を選ぶ。
  • 紹介手数料だけでなく、サービス内容や担当者の質なども考慮する。
  • 担当者と密にコミュニケーションを取り、希望する人物像を明確に伝える。

4. リファラルリクルーティング

  • 職員に紹介謝礼を設け、紹介を促進する。
  • 職員向けの紹介制度を周知徹底する。

5. ダイレクトリクルーティング

  • 医師求人サイトのスカウト機能を活用し、希望に合致する医師に直接アプローチする。
  • 医師向けのセミナーやイベントを開催し、自院の魅力をアピールする。
  • SNS運用を行い、医師から直接DM・お問い合わせを獲得する

一般の人材サービスも医師採用に活用できる?

医師採用は、他の職種と比べて難易度が高いと言われています。しかし、近年では、一般の人材サービスを活用することで、効率的に医師を採用できるようになっています。

人材派遣

医師の派遣は、労働者派遣法で原則禁止されています。しかし、以下の2つの例外ケースにおいては、厚生労働省の許可を得ることで、医師の派遣が可能となります。

1.紹介予定派遣

派遣医師として一定期間勤務した後、派遣先医療機関と医師双方の合意があれば、派遣先が医師を直接雇用する方式です。医師が派遣先医療機関のチームに定着しやすく、継続的な医療提供に適していると考えられています。

2.人手不足解消が特に必要だと認められる場合

医師不足が深刻な地域や医療機関において、厚生労働省が特に必要と認めた場合に限り、医師の派遣が認められます。下記の条件があります。

  • 医師の業務であって、当該業務に従事する派遣労働者の就業の場所が以下のいずれかに該当する
  • へき地にある場合
  • 地域における医療の確保のためには医業に派遣労働者を従事させる必要があるとして厚生労働省令で定める場所である場合

転職フェア

医師は転職活動を行う際に、プライバシーを重視する傾向があります。そのため、従来の転職フェアのような公開的な場での採用活動は難しさが伴います。しかし、近年ではオンライン転職フェアや個別面談会など、医師のニーズに合わせた転職活動支援サービスも増えており、有効な採用手段となり得ます。

ソーシャルリクルーティング

FacebookやTwitterなどのSNSを活用したソーシャルリクルーティングは、医療機関と求職者の双方の情報量が多く、マッチング精度が高いというメリットがあります。医師採用への活用はまだ一般的ではありませんが、今後ますます注目される採用手法となるでしょう。

ラリホ

結論から言うと、一般の人材サービスのモデルで医師を採用するのは現時点では現実的ではありませんね。

医師採用の最適な手法は状況によって異なる

医師採用は、医療機関、クリニックにとって非常に重要であり、様々な手法が活用されています。しかし、どの手法が最適なのかは、費用、人材要件、スケジュールなどの状況によって異なります。

下記はこれらを考慮せずに、失敗してしまった事例です。

よくある採用の失敗事例

  • 求人サイト広告:掲載当初は応募があったものの、3ヶ月後に反響が途絶え、原因も不明確なまま費用が発生したケース。
  • ヘッドハンティング:高額な着手金と費用をかけても、1年間採用が決まらず、損失が出たケース。
  • リファラルリクルーティング:紹介会社からの応募がなく、非常勤医師の紹介で分院長候補を見つけ、採用後に紹介者に謝礼を支払ったケース。

上手く医師を採用するためのポイント

上記のような事例からも分かるように、医師採用には費用対効果が必ずしも伴うとは限りません。

最適な手法を選択するためには、まずは1番初めに以下の点を定義する必要があります。

  • 予算:どのくらいの費用をかけられるのか
  • スケジュール:いつまでに医師を採用する必要があるのか
  • 人材要件:どのような経験やスキルを持つ医師を求めているのか

それぞれの採用手法の特徴を理解し、自院の状況に合致した方法を選択することが重要です。

また、リファラルリクルーティングは定着率が高くなるというメリットがあります。紹介してくれた人材に対しては、謝礼を支払うことで、モチベーションを高め、次回の紹介を促す効果も期待できます。それには単に医師を採用すれば良いというわけではなく、医師が長く働き続けられる職場環境を作ることが重要です。具体的には「ライフワークバランス」「相場より少し高い給料」「インセンティブを含む正当な報酬」など、多くの医師が求める労働環境を整えることが該当します。

医師採用の戦略について

医師不足が深刻化する中、医療機関にとって医師の採用は喫緊の課題となっています。しかし、単に求人広告を出せば良いというわけではなく、採用を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

採用チャネルの適切な選択

医師を採用するためには、様々な採用チャネルを活用することが重要です。求人広告サイト、転職エージェント、医療機関向けの人材紹介サービス、医師向けのマッチングプラットフォームなど、様々な選択肢があります。

自院の強みや求める医師像を明確にした上で、最適な採用チャネルを選択することが重要です。

自院の強みと弱みを把握する

医師を採用するためには、自院の強みと弱みを把握することが重要です。医師目線で自院を評価し、競合となる医療機関との比較も行うことで、自院の差別化ポイントを明確にすることができます。

定性的に挙げられる強みとしては、勤務環境、給与、キャリアパス、研修制度、チーム医療体制などがあります。

自院のブランディング

自院の強みや差別化ポイントを活かして、自院のブランディングを行うことが重要です。医師にとって魅力的な職場であることをアピールすることで、優秀な医師の興味を引くことができます。ブランディングには、ホームページ、パンフレット、SNSなどを活用することができます。

継続的な採用活動

医師の採用は、継続的な活動が必要です。短期的な成果に固執せず、長期的な視点で採用活動に取り組むことが重要です。採用担当者は、医師とのネットワークを築き、定期的に情報発信を行うことで、優秀な医師との接点を増やすことができます。

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この記事の執筆者

ラリホのアバター ラリホ サイト制作ディレクター

株式会社メディカルリンク代表。現役臨床医。医学部卒後はエンジニア兼医師として採用ソリューション事業開発に従事。後に、メディカルリンクを創業。得意領域はサイト開発、競合分析。社内では制作ディレクションを行う。

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