転職体験談からヒントを得るキャリア支援メディア NEXT CAREERS

「“心臓リハからオンライン運動指導まで”理学療法士の新しい働き方」ー 理学療法士の高橋健太氏に聞く。

働き方改革や少子高齢化の進展により、理学療法士に求められる役割は年々広がっています。かつては病院でのリハビリが中心でしたが、いまや在宅や介護施設、オンライン支援など活躍の場は多岐にわたります。そうした変化の中で、自分の専門性をどう伸ばし、家庭や生活とどう両立させるかは、多くの理学療法士が直面する課題です。今回お話を伺ったのは、高橋健太さん(30)。急性期病棟から訪問リハビリ、循環器クリニック、発達障害を持つ子どもたちへのオンライン運動指導へと活動の幅を広げてきました。ストレスの多かった訪問業務を経て、自らの専門性を循環器分野で高め、副業も通して新しいフィールドに挑戦している高橋さん。転職を決断した背景や、環境を変えたことで得られた変化について語っていただきました。

高橋 健太(たかはし けんた)

1996年生まれ。2018年に福祉大学と専門学校を同時卒業し理学療法士の資格を取得し、岐阜県内のグループ病院に入職し、急性期病棟を担当。2019年に健康予防管理専門士、2022年に3学会合同呼吸療法認定士を取得。2023年に訪問看護ステーション、2024年に循環器クリニックに転職し、心不全療養指導士を取得する。2025年には発達障害を持つ子どもたちへのオンライン運動指導を開始【保有資格】理学療法士/3学会合同呼吸療法認定士/心不全療養指導士/健康予防管理専門士

目次

今行っている仕事や取り組んでいることについて

ー 現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

高橋:私は現在、循環器クリニックに勤務しており、狭心症や心筋梗塞といった循環器疾患を経験した患者様を中心にリハビリを担当しています。心臓リハビリは再発予防や生活の質の向上に直結する重要な分野であり、患者様と一緒に生活習慣を見直したり、運動療法を取り入れたりする中で、大きなやりがいを感じています。

ー 専門性を高める取り組みも積極的にされているのですね。

高橋:はい。入職後に「心不全療養指導士」の資格を取得し、現在は「心臓リハビリテーション指導士」の取得を目指して勉強中です。職場には資格取得を後押しするサポート体制が整っていて、勉強会費用の補助も受けられるため、学び続けられる環境にとても感謝しています。

ー 本業に加えて副業でも活動されているそうですね。

高橋:そうなんです。子ども向けにオンラインで運動指導も行っています。対象は自閉症やADHDといった発達障害を持つ子どもたちで、一人ひとりの発達段階に合わせた運動メニューを作成し、親御さんと一緒に取り組むスタイルを大切にしています。子どもが「できること」を増やして自信を持ち、親御さんと一緒にその喜びを分かち合う瞬間は、この仕事ならではの魅力だと強く感じています。

訪問リハから心臓リハへの転換

ー 転職を考えるようになったきっかけを教えてください。

高橋:前職では訪問リハビリを担当していましたが、大きなストレスを感じていました。ご自宅に伺うと、ゴミが山積みだったり、糞尿の臭いが充満していたり、虫が飛び交っていたりと、過酷な環境に直面することもありました。そんな中でリハビリを行うことに限界を感じ、自分の健康にも不安を覚えるようになったんです。

ー そのような状況は精神的にも負担が大きかったのではないでしょうか。

高橋:はい。ご家族からのクレームも多く、「もっと来てほしい」「方法が合っていない」といった要望に対応するうちに、精神的に追い込まれてしまいました。理学療法士として患者様を支えたい気持ちは強かったのですが、現実とのギャップに悩み、このままでは続けられないと感じました。

ー そこからどのように新しい道を見つけられたのでしょうか。

高橋:ちょうどその頃、副業で心臓リハビリに携わる機会を得たんです。患者様が少しずつ元気を取り戻す姿を間近で見て、「この分野で専門性を高めたい」と強く思うようになりました。さらに、院長先生から「うちで働いてみないか」と好条件で声をかけていただいたことが、転職の決め手になりました。

ー ご家庭の事情も転職を後押ししたのですね。

高橋:はい。2人目の子どもが生まれるタイミングでもあり、収入を増やしたい気持ちも強くありました。結果的に転職後は、副業と合わせて年収が約200万円アップしました。資格取得のサポートも手厚く、業務量は適正、残業もなく17時半定時という理想的な環境が整いました。

ー 収入や環境の変化は生活にどのような影響を与えましたか。

高橋:祝日休みや長期休暇がしっかり取れるようになり、家族旅行も計画的に楽しめるようになりました。生活全体に余裕が生まれ、子どもとの時間も増えたことが大きな変化です。

ー この転職を振り返って、どのように感じていますか。

高橋:精神的なストレスから解放されただけでなく、キャリアと家庭の両立ができるようになったのは私にとって大きな転機でした。今では、理学療法士としての専門性を高めつつ、家族との時間も大切にできる働き方を実現できています。

転職で上手く行ったこと・コツ・反省点

ー 転職が成功した一番の理由はどこにあったと思いますか。

高橋:大きかったのは、副業を通して今の職場を事前に知ることができた点です。前職に勤めている時に副業として働いていたので、人間関係や職場の雰囲気を把握でき、不安なく転職を決断できました。そのおかげで、転職後も即戦力としてスムーズに働けたと感じています。

ー 実際に転職してからの生活面の変化はいかがでしたか。

高橋:給与や休日の改善は大きなメリットでした。年収は副業を含めて約200万円増え、祝日休みや残業ゼロの環境を得られました。家庭との両立も可能になり、子どもの行事や家族旅行を楽しめるようになったことは、生活の質を大きく変えたと思います。

ー 転職を成功させるためのコツがあれば教えてください。

高橋:「転職サイトを上手に活用すること」「副業で自分の可能性を試すこと」「転職前に職場環境を確認すること」の3つです。これらを実践したことで、自分に合った職場にスムーズに移行できました。

ー 反省点はありますか。

高橋:通勤時間が長くなってしまったことです。今は通勤時間を勉強やリフレッシュに充てるよう工夫していますが、次に転職を考えるときは勤務地もより慎重に選びたいと思います。

転職する方へのアドバイス

ー 最後に、転職を考えている理学療法士の方へアドバイスをお願いします。

高橋:転職を迷っている方に一番伝えたいのは、「早めに行動すること」です。転職を先延ばしにすると、その分だけ収入や経験の差が広がってしまいます。私自身も早めに決断したことで、収入面でも生活面でも大きなメリットを得ることができました。また、場合によっては退職代行を利用するのも一つの選択肢だと思います。大切なのは辞め方ではなく、新しい職場でどう頑張るかです。

気持ちを切り替えて働ける環境を見つけることこそが重要です。さらに、私も実際に活用しましたが、理学療法士専門の転職サイトは強くおすすめできます。収入や勤務条件の情報を事前に把握できるほか、自分に合った職場を紹介してもらえます。

面接対策や履歴書の添削といったサポートもあり、自分一人で探すより効率的で安心です。転職は確かに大きな決断ですが、早めの行動と十分な準備によって未来は大きく変わります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を編集した人

転職に本当に必要な情報を届けるメディアというコンセプトで2024年に株式会社メディカルリンクの新規事業としてスタート。メディアを通じて今の自分に相応しい職場を見つけるサポートを行う。見やすく分かりやすいサイトデザインと徹底した取材・市場調査で転職を検討しているユーザーの満足度を上げる事をミッションに定める。

目次